ワールドとの激闘から2ヶ月が過ぎた。BBBはトップリーグ4回目のシーズンを迎えるべく動き出した。
4月10日には新加入選手引退選手を対外に発表。残念ながらBBBを長年支えてくれた榮田・神名・小沼らは現役引退の道を選び戦いの場を職場へと移した。
一方で大学ラグビー界からは覺來、梅原らをはじめ6人が加入。外国人選手としてはスーパー14のチーフスに所属した待望の大型バックス、ロイ・キニキニラウと米国代表司令塔を長く務めるマイク・ハーカスらが新たにBBBの一員に加わった。
束の間のオフの間は大松、加瀬といったベテラン選手が中心となり”所属部署とトップリーグで存在感を示そう”と、選手一人一人の意識改革・行動改革への取り組みを開始した。限られた時間の中で仕事もきっちりこなしたいという意識が選手個々の中でも格段に高まってきていると聞く。
4月の1ヶ月間はフィジカルトレーニングで徹底的に身体を鍛え上げた。昨シーズン新人ながら抜群の存在感を示した佐藤拓はこの一ヶ月で6Kgも絞り込んだ。
4月17日にはオープン戦スケジュールをBBB公式ホームページに発表。連休終盤に差し掛かった5月6日からはいよいよ実践的な練習を開始した。
そして、5月10日に2008年の開幕を告げるオープン戦がvsクボタスピアーズを皮切りにスタートする。
この試合は、5月1日に国際ラグビーボード理事会において、試験的実施ルール実施の内容が決定されたのを受けて、新ルールを適用して行われる。
新ルール適用で、これまで以上に運動量が増すことは間違いなく、80分間をどの様に戦い抜くのか注目される。
あるBBBファンは試合で一番面白いのはオープン戦だと言う。
オープン戦の魅力として、ベテランから新人まで多くの選手のプレーが見れる、タッチラインのすぐ近くで試合が見れる等をあげてくれた。
現時点7月5日の東芝戦まで8試合のオープン戦が予定されている。是非、試合会場でオープン戦の魅力を発見していただきたい。
実は公式戦以外の試合観戦は今日が初体験。最大のきっかけは、新加入のロイ・キニキニラウ選手を一目見たく、いてもたってもいられなくなったこと。
4月10日に新加入選手が発表されてからはweb検索で何十回とROY KINIKINILAUと入力した。知れば知るほど興味は高まった。
10日の観戦を決めてからは特に5月7日の週は10日に実物のロイのプレーが見れると思うだけでワクワクしてきた。
生憎の天候ながら船橋市のクボタスピアーズのホームグラウンドは、13時の試合開始前には両チームのファンがグラウンドを取り囲んだ。
あちこちで、あの選手が誰々とか、水田と新人の高梨は似てるなとか、新人の月野はセコムの山賀選手を意識しているな、とか様々な声が聞こえる。
私のお目当てのロイ・キニキニラウが遠くに見えた。その後、目の前を通り過ぎる。これだけで片道2時間以上かかった往路の時間を忘れた。
クボタはホームページでも告知していた通りほぼ全員が試合に出場する。BBBは新人や若手中心のメンバー構成でこの試合に臨む。
試合は終わってみればBBBがトライ数1本対11本の10本差で完敗。
前半はBBBが先制するも、マクイナリが攻撃の核となり1本対3本の2本差をつけられた。後半は0本対8本と零封された。
「4月の練習では主に攻撃の役割認識と意志統一に多くの時間を費やしてきました。今回はその取り組んできた攻撃のオプションを、実戦の中で試す絶好の機会となります。」とIBM戦に先立って試合の見所を発表。クボタにとってはまさに思い通りの試合展開となった。
結果以上に、チームスタッフのこの試合に対する想いを事前にホームページを通じて内外に知らしめたクボタスピアーズの試みは面白い。
試合前、前半のゲームキャプテンを務めるPR田辺が「ポジティブに思い切ったプレイをしよう!」と前半メンバーに喝をいれた。
新ルールでの試合がどの様な試合展開になるのか多くの目がグラウンドを興味深く見つめる中、13時にクボタのキックオフで前半が始まった。
1プレー1プレーがなかなか切れずに断続的に攻守が入れ替わるスリリングな試合展開。ここぞという時のぶつかり合いは厳しく、見た目にも体力の消耗は激しい。
最初10分間はBBBが自陣でクボタの攻撃を耐える時間が多かったが、15分ロイの縦突進から久しぶりに敵陣へと入り込む。期待通りの頼もしい動きを要所で見せる。
SOマイクも国際試合での経験豊かさを見せつける。落ち着いてバックスラインを引っ張りゲームをコントロールしている。
HO安江CTB徳永WTB勝俣は昨年よりも重厚さと激しさが加わり安心してプレーを見ていられる。
敵陣10m右中間付近で相手ボールスクラムから左ラインにボールを回した矢先、ディフェンスで詰めたロイがインターセプト。
一瞬にして攻守が入れ替わり、そのままゴールポスト真下に持ち込んでトライ。コンバージョンキックもマイクがきっちり決めて7対0とBBBが先制した。
ラインアウトは昨シーズンからの課題であるが、ジェイクと小嶋の両LOが核となり獲得率を高めた。
25分自陣ゴール前に攻め込まれるも、きっちりとしたワンラインのプレッシャーディフェンスでピンチを凌ぐ。WTB道廣のタックルは相手選手に確実に刺さり動きを封ず。
28分ラインアウトからのこぼれ玉を拾われてトライを許すもリスタートではきっちりとプレッシャーをかけて敵陣で釘付けにした。
36分BBBチャンスをクボタに逆襲されトライを許し逆転されると、40分にもペナルティからクイックスタートで左隅にトライを許し前半が終了した。
後半、BBBは前半WTBで出場した道廣がSO、FB高梨がCTBにまわった以外は総入替。後半のゲームキャプテンはLO伊藤。練習時から伊藤の激しい檄が飛ぶ。
FWは新人月野と野田に佐藤の第一列、ATQに選ばれた長澤がLO、神白、覺來、大島の第三列。
BKはSH田仲、WTBには普段SOの中西とFLの竹山、CTBには似たもの同士の水田と高梨、FBには小玉が位置した。
接戦を期待するも、開始5分で最初のトライを許すと40分の終了間際まで8本のトライを重ねられて為すすべ無し。
クボタは後半から出場したNO8ケフとSO伊藤を両輪にFWとBKが一体となった攻撃を繰り広げた。この二人に前半出場したマクイナリが加わると更に脅威になる。
BBBは劣勢の中でも様々な収穫が見て取れた。
SH田仲は雨を感じさせない球捌きと正確なパスワークで安定したボールを供給。大男達がぶつかり合うモールとラックの最前線でもひるむ事なく低くて鋭いタックルで初動を押さえ込んだ。今年こそはトップリーグの公式戦でも田仲の勇姿を見たいという声が多く聞こえた。
PR佐藤はWTBからプロップにポジション変更したラグビー選手の中でも異色。畠山、中西らと個別に励むコア強化トレーニングで下半身の体型はすっかりFW選手となった。
スクラムは低い姿勢を維持して後ろからの押しを待てる下地は出来上がっている。ラックサイドからの切れ味鋭い縦突進の威力は十分な可能性を感じさせてくれた。
試合終了後、試合観戦に訪れていたOB文原に走り寄り自身のプレー評価についてコメントしてもらっている姿には向上心の高さを感じた。
FL覺來は常に相手に鋭いプレッシャーをかけ続けて簡単にはプレーさせない。豊富な運動量とルーズボールへの働きかけは爽快感を与えてくれた。
WTB竹山はさすがはセブンス日本代表選手。慣れないポジションにおいても鋭いタックルやボールへの働きかけで存在感を示した。
NO8大島のコンタクトプレーの激しさは一方的な試合ながらBBBのFWを引き締めた。
リーグ戦13試合を戦い抜くには選手層の厚さを更に高めることが必須。昨シーズンの入替戦メンバーを脅かす存在が多数台頭してきてくれることを切に願う。
次回のオープン戦は5月17日(土)のNEC戦。ファンとしては新たなBBBを発見したい。個々の選手には新たな可能性を見せて欲しい。
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